インテリアコーディネートのお仕事をした事がある方なら必ず知っているであろう
ウィリアム・モリス。
自然の樹木や草花をモチーフにした壁紙といえば、ウィリアム・モリスがその代表です。
私も今までに数々のウィリアムモリスデザインの壁紙を選定しており、
イギリスの非常に有名なデザイナー、芸術家という認識でしたが、
詩人、哲学家、政治思想家でもあリました。
この独特な深みと色使い、伝統の中に新しさを感じるデザインはウィリアム・モリスならではかと思います。
ウィリアム・モリスの経歴について興味深かったのは、
最初、聖職者になるために学校に通っていたものの、その後建築家を志ざし建築事務所に入ります。
そして、画家ロセッティに出会い門下生となり画家を目指すことに。
ただ、それも実らず、装飾美術に身を捧げる決心をした、というものでした。
これらの全ての経験は、この素晴らしいデザインに生かされているのだと思います。
ウィリアムモリス、Morris&Coの
壁紙として使いやすい色合いのものは、、
Lilycolor壁紙より
このような、柔らかい色合いでベージュとなじみやすい雰囲気のものかもしれませんが、
私の個人的なオススメは、
Lilycolor壁紙より
このようにダークな背景に植物柄の壁紙です。
今年の秋冬トレンドにも、このダークな背景に柄のあるタイプは適していると思います。
このタイプの壁紙の良いところは、家具の種類に関して幅広く選べるところです。
淡い色のものの場合には、ナチュラルやシャビーなタイプの家具、となりますが、
こちらの場合には、ナチュラルにしても柄が植物柄なので大丈夫ですし、
色が濃く伝統柄の印象もあるので、クラシックな家具にも合います。
また、インダストリアルな家具を置いてもクラフト感のあるこの壁紙とマッチします。
ウィリアム・モリスは
アーツアンドクラフツ運動を主導したことでも有名です。
産業革命の結果による大量生産で粗悪な商品が溢れた状況を批判し、
今一度、中世の手仕事に立ち帰り、生活と芸術の統合を主張しました。
モリス商会の商品は結局高価になってしまい、なかなか理想通りにはいかなかったようですが、
思想としては意義のあることでした。
生活と芸術の統合とは、生活の中に華美な装飾品を持ち込むことではなく、
日々気持ちよく丁寧に暮らすこと、それが叶えられる日常のモノやコトを大事にすること
そうすれば生き方は美しくなっていく、、、美しくなるというのは、快適に幸せに暮らせる、という意味で。
まだまだ言葉足らずですが、そういったことなのではないかと思います。
私たちも、家で過ごす事が多くなった今、
間に合わせのものではなく、気持ちよく過ごせるモノたちと
暮らしていきたいですね。