「人間は醜い、されど人生は美しい」
フランスの画家、トゥールーズ=ロートレックの言葉です。
最近、『Lady Marmalade』という曲を改めて聴く機会があり、
(映画『ムーラン・ルージュ』(2001年。。。20年前!?という驚愕。。。)の主題歌です。)
ロートレックの事を思い出しました。
このポスター(『ムーラン・ルージュのラ・グリュー』1891)は、
パリにオープンするキャバレー『ムーラン・ルージュ』の店主から依頼され
ロートレックが描いたもの。
私はこのポスターのコピーを
一人暮らしを始めた時に部屋に置いていました。
その時は何となくお洒落だな、程度の理由で。
その後、三菱一号館美術館へ行き、
(ロートレックの作品が収蔵されています。)
ロートレックの人生や、この言葉を遺した意味を知りました。
ロートレックは名門貴族の御曹司として生まれましたが、
10代前半で両足をそれぞれ骨折し、両足の発育が止まってしまいます。
胴体は正常に発育し、成人した時の身長は152cmだったそうです。
父からは蔑まれ、ロートレックは絵を描くことに打ち込みました。
体に障害を持ち、周りから嘲笑された彼は、財力はあったため、
夜の歓楽街に入り浸り、踊り子や娼婦たちを描きました。
彼は、ゴッホと出会うことで日本の浮世絵の影響を受けています。
左右非対称な構図や曲線のライン、黒い影など、印象的です。
『ディヴィアン・ジャポネ』(1893)
また、まさにこの時代はアール・ヌーヴォーの時代ですが、
その代表でもあるロートレックから、色彩の流行を感じることができます。
ロートレックの絵画の色の特徴は、
黒×オレンジ×イエロー(くすんだ色調)です。
ロートレックのオレンジを、ロートレック・オレンジと呼ぶそうですが、
この大胆な色使いでありながら、アンティーク感がありお洒落な雰囲気なのは
この褪せた・くすんだ色調(トーン)がポイントかと思います。
黒にただ鮮やかなオレンジやイエローを合わせると、全く違った印象になりますよね。
色調(トーン:色の鮮やかさと明るさをまとめた関係性)は表現の上で大切な要素であることがわかります。
ロートレックは、退廃的というか破滅的な生活を送り、
36歳という若さで亡くなってしまいます。
彼は、たくさんの踊り子や娼婦を描いていますが、その中に自分も重ね合わせ、
モンマルトルの人物を醜くデフォルメする等して描きました。
久々に聴いた曲からロートレックの事を思い出したので、
本日のブログといたしました。
以上、
「ロートレックと色」でした。