国立西洋美術館『ル・コルビュジエ 絵画から建築へ-ピュリスムの時代』へ行って参りました。
国立西洋美術館といえば、ル・コルビュジエの建築作品。
そして、2016年にユネスコ世界文化遺産に登録された建築です。
ル・コルビュジエというと、
アメリカのフランク・ロイド・ライト、ドイツのミース・ファン・デル・ローエと並び、
近代建築の三大巨匠の一人として、また「近代建築の5原則」を提唱した人物として
ご存知の方もいらっしゃると思います。
今回開催されていた、『ル・コルビュジエ 絵画から建築へ-ピュリスムの時代』は、
画家のオザンファンと共に絵画を通して推進した「ピュリスム(純粋主義」運動から
「サヴォア邸」を設計した10年間に焦点が当てられた展示でした。
*ピュリスム絵画:近代生活を支える科学が法則に基づくのと同様、芸術にも普遍的な規則が必要と主張。
比例と幾何学による明快な構成が特徴。
ル・コルビュジエは、建築家として有名ですが、建築家として大成した後も、
午前中にはデッサンや絵画を描いていたそう。
その経験は大きく建築に影響していると言えます。
それを見てとれるのが以下のコルビュジエの絵画作品等。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/event/bi/lecorbusier/list/CK2019032202000317.html
そして以下は、コルビュジエが壁紙メーカーから依頼されて色彩設計をしたという、
63色のカラーパレットです。
Polychromie Architecturale
https://www.lescouleurs.ch/fr/les-couleurs/le-systeme-de-couleurs/ より
絵画と比べて見てみると共通点が見つけられるのではないかと思います。
パレットのこれらの色はコルビュジエが経験の中で見つけ出した色。
全ての色はどの色を組み合わせても自然に調和する色である、と述べられています。
また、
「建築における色彩は、平面図や断面図と同じくらいもしくはそれ以上の重要な構成要素である」
とあり、いかに色彩を重要視していたかがわかります。
展示では、オザンファンと並べて初期ピュリスムの絵画が展示されていたのですが、
ル・コルビュジエの絵画はより立体的な構成を感じました。
また、色彩についても初期はベタっとした平面上における濃い色での表現だったのが、
徐々に淡い色彩や透明感のある色彩を巧みに組み合わせて表現し
それらが見事に調和していました。
空間認知能力に秀でた方だったのですね。
羨ましいというのもおこがましいくらいですが。笑
ご興味のある方は、
「サヴォア邸」
「ユニテ・ダビタシオン」
「ロンシャン礼拝堂」
等に豊かな色彩を見ることができるので、ぜひ検索してみてください!
おまけとして・・・
下の写真は国立西洋美術館の「19世紀ホール」と命名された大きな吹き抜け空間です。